記事の概要
この記事の内容で以下のことがわかるようになります
- ドンチャンチャンネルとは何か?
- ドンチャンチャンネルの設定方法
- 実際のトレードでの活用例
ドンチャンチャンネルとは何か?
ドンチャンチャンネル(Dochian Channel)とは、リチャード・ドンチャンという著名なトレーダーが1950年代に開発したインジケーターです。
あの有名なトレード集団「タートルズ」が使用していたことでも知られています。
ドンチャンチャンネルを一言で表すと
「過去の一定期間における高値と安値の範囲(レンジ)を、視覚的に分かりやすく表示してくれる」
インジケーターです。

以下の3本の線から構成されます。
アッパーバンド(上の線): 過去n期間の最高値
ロワーバンド(下の線): 過去n期間の最安値
センターライン(真ん中の線): (最高値 + 最安値) ÷ 2
※「n」の期間は、デフォルトでは「20」に設定されていることが一般的です。これは「過去20本のローソク足の中での最高値と最安値」を示します。
ドンチャンチャンネルの設定方法
最もよく使われている設定値は「20」です。
しかしトレーダーの取引スタイルによってさまざまな設定値が使用されます。
設定値を変えることで以下の効果が見込めます。
期間を短くする → 反応が早くなるが、「ダマシ」も増える。(短期売買向け)
期間を長くする → 反応は遅くなるが、「ダマシ」が減り、より大きなトレンドを捉えやすくなる。(長期売買向け)
どの設定値が良いのか?に対する答えはありません。
まずは基本的な設定値「20」を試し、自身の好みに応じて調整することが必要だと考えます。
実際のトレードでの活用方法
ドンチャンチャネルの最も基本的な使い方は「ブレイクアウト戦略」です。
新高値を更新したとき(買いシグナル)
- 価格(ローソク足の実体や終値)が、アッパーバンドを上抜けたら「買い」を検討します。
- これは「過去20期間の最高値を更新した」という事実を示し、新たな上昇トレンドが発生した可能性が高い、と判断できます。
新安値を更新したとき(売りシグナル)
- 価格(ローソク足の実態や終値)が、ロワーバンドをした抜けたら「売り」を検討します。
- これは「過去20期間の最安値を更新した」という事実を示し、新たな下降トレンドが発生した可能性が高い、と判断できます。
ドンチャンチャネルのメリット、注意点
メリット
- シグナルが非常に明確: 「チャネルを抜けたらエントリー」というルールが単純明快で
初心者でも判断に迷いにくいです。 - トレンドの発生を捉えやすい: 大きなトレンドの初動を捉えるのに優れています。
注意点
- レンジ相場に弱い: 価格が一定の範囲で上下する「レンジ相場」では、チャネルを少し抜けたと思ったらすぐに戻ってきてしまう「ダマシ」が多く発生します。
- 反応が遅れることがある: あくまで過去の価格を基にしているため、トレンド転換の判断などは少し遅れる傾向があります。
- 利食いの判断が難しい: エントリーのシグナルは明確ですが、どこで利益を確定するかはこのインジケーターだけでは判断が難しいため、他の指標(RSIや移動平均線など)や、トレーリングストップといった決済手法を組み合わせるのが一般的です。
わたしの活用方法
私はドンチャンチャンネルを利食い、損切りの目安として考えています。
例としては買いポジションを持っているときは、アッパーバンドを利確目標ライン。
ロワーバンドを損切りラインとして設定しています。
トレンドがつよい時はアッパーバンドを超えて上昇していく場合も多いですが、スキャルピングトレード主体な人、ポジションを長く持ちたくない人はアッパーバンドでサクッと利食いすると、メンタル的にもかなり楽なトレードを行うことができます。
まとめ
ドンチャンチャンネルは初心者でもわかりやすく、トレンドフォロー戦略を効果的に行えるインジケーターです。
まずは基本的な設定値で使ってみて、個人の好みに合わせて調整していってください。
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